アンダーワールドイギー・ポップがコラボレーションEP『Teatime Dub Encounters』を7月27日(金)にリリースする。

UNDERWORLD,IGGY POP Teatime Dub Encounters Smith Hyde Production/Beatink(2018)

昨年公開され、大きな話題を呼んだ映画「T2 トレインスポッティング」。その映画音楽に携わったアンダーワールドのリック・スミスは、前作「トレインスポッティング」(96年)に楽曲を提供したイギー・ポップとロンドンでミーティングを行ない、新作映画のためのコラボレーションの可能性を話し合ったという。

「イギーは快く〈会って何か話そう〉と応じてくれた。僕らはともにトレインスポッティングとダニー(・ボイル)に強い絆を抱いていたからね。この紳士を説得して一緒に仕事をする一度きりのチャンスだろうと思った。だからホテルの部屋を貸し切って、スタジオを用意して彼が現れるのを待ったんだ」リック・スミス(アンダーワールド)

『Teatime Dub Encounters』収録曲“Bells & Circles”
 

デヴィッド・ボウイとの共作で、イギー・ポップの代表曲である“Lust For Life”で幕を開け、アンダーワールドの名を一躍世界に知らしめた“Born Slippy .NUXX”で幕を閉じる「トレインスポッティング」。完璧なオープニング・ソング、そして完璧なエンディング・ソングを伴った同作は、本国イギリスはもちろん、ここ日本でも異例の大ヒットを記録した。

ユアン・マクレガーやロバート・カーライルといったスター俳優を生み、イギー・ポップ、ブライアン・イーノプライマル・スクリームニュー・オーダーブラー、ルー・リード、レフトフィールド、デーモン・アルバーン、そしてアンダーワールドら当時の先鋭的なアーティストが名を連ねたサウンドトラックも大きな話題となった。映画や音楽から、ヴィジュアル・アートの世界まで、カルチャー全体や若者の思想やライフスタイルにも、現在に至るまで多大な影響を及ぼしている伝説的傑作だ。

そんな「トレインスポッティング」から実に22年。リック・スミスのもとに現れたイギー・ポップは、完璧にセッティングされたスタジオを目にし、すぐにでも制作に取り掛かろうという情熱に駆られたという。

「ホテルの部屋に完璧なスタジオを持った誰かと会って、Skypeにはアカデミー賞監督がいて、目の前にはマイクと30もの洗練された楽曲があったら、頷くだけでびびってられないだろ。一瞬で血が沸き立ったよ」イギー・ポップ

アンダーワールドが『Barbara Barbara, We Face A Shining Future』を、イギー・ポップが『Post Pop Depression​』を同日にリリースした2016年3月16日。本作『Teatime Dub Encounters』は、その数週間後にホテルの部屋で秘密裏に行われた数回のセッションによって誕生した。

上述の二作によって自身の最高傑作を更新し、アンダーワールドの片割れであるカール・ハイドはブライアン・イーノとのコラボレーションで傑作を連発、何度目かの黄金期を迎えていることをリスナーに印象付けている現在のアンダーワールドとイギー・ポップ。

その両者が生んだ本作『Teatime Dub Encounters』は、過去へのトリビュートでもなく、ましてやノスタルジーでもない。いまもなお第一線で活躍し、持てるものすべてを目の前の作品に捧げ、ひらめきこそが創造を生むという信念を持ったアーティストたちが作り上げた、最高に刺激的で躍動に満ちた作品なのだ。

先行シングル“Bells & Circles”は、BBCミュージック主催イヴェント〈ビッゲスト・ウィークエンド2018〉でアンダーワールドがヘッドライナーとしてパフォーマンスした際に初披露された。そしてEPリリースの発表と合わせて、新曲“I'll See Big”が解禁。

力強いテクノ/ブレイクビーツ・チューンの“Bells & Circles”とはある意味、真逆の魅力を持った楽曲で、穏やかなエレクトロニカ~アンビエント・トラックの上で、イギー・ポップが語りかけている。そのリリックは、「トレインスポッティング」シリーズの監督であるダニー・ボイルとの会話のなかで、映画のバックグランドにインスパイアされて書かれたものだとか。

今では俺も多少は年を食い、俺がいなくなった時に俺のことを思ってくれる友達について考え始めてる
1人か2人は笑顔を浮かべ、俺との楽しい思い出に浸ってくれるだろう奴がいる
“I'll See Big”

アンダーワールドとイギー・ポップによるコラボレート作『Teatime Dub Encounters』は、7月27日(金)に世界同時リリース。国内盤CDにはボーナス・トラック2曲が追加収録、さらに歌詞対訳と解説書が封入される。iTunes Storeでは〈Mastered for iTunes〉フォーマットでマスタリングされた高音質音源での配信となり、予約すると“Bells & Circles”と“I’ll See Big”の2曲をダウンロードすることができる。