昨年デビュー10周年を迎え、今後の活動が楽しみでならない辻井伸行。ベートーヴェンの三大ソナタ(AVCL-25950)のアルバムをリリースしたばかりだが、早々と新作が発売。これまでにも共演しているペトレンコと共に《グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調》を録音。第一楽章から表現豊かにじっくりと聴かせてくれている。その演奏に深みを与えているのがロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団。続いて、《ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲》では、聴き手をうっとりとさせる音色を奏でている。完成度が非常に高い演奏。本作が、辻井伸行の代表作となることは間違いない。