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部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう!

THE FIFTH AVENUE BAND The Fifth Avenue Band Reprise/ワーナー(2018)

 会長がプンプンしながらひとりでパンケーキを食べに行ってしまったので、久々に最近のオススメCDのことなど綴ってみるでござるよ。まずは初の紙ジャケ仕様でリイシューされた、フィフス・アヴェニュー・バンドの69年作『The Fifth Avenue Band』(Reprise/ワーナー)から。本国USではいまだに忘れ去られたままでござるが、当時のNYらしい洒脱で洗練されたサウンドが山下達郎や大貫妙子らに多大な影響を与えたこともあり、日本では問答無用の名盤。シティー・ポップだ何だと言っている音楽愛好家のなかで、本作を聴いていない人がいたらモグリでござるな。

FABULOUS POODLES Mirror Stars: The Complete Pye Recordings 1976-1980 Cherry Red(2018)

 お次は長らく音源の入手困難だった英国のパブ・ロック・バンド、ファビュラス・プードルズの全3タイトルにボートラを追加した『Mirror Stars: The Complete Pye Recordings 1976-1980』(Cherry Red)。ボビー・ヴァレンティノのヴァイオリンやマンドリンも交え、オールディーズ風からモダン・ポップまで披露するゴキゲンな内容でござる。

DAVID SYLVIAN,HOLGER CZUKAY Plight & Premonition/Flux + Mutability Gronland/Pヴァイン(2018)

 続いてはデヴィッド・シルヴィアン&ホルガー・シューカイ名義のアンビエント2作品をまとめた2in1『Plight & Premonition/Flux + Mutability』(Gronland/Pヴァイン)。88年リリースの『Plight & Premonition』は茫洋としたシンセの響きが淡い色彩を描いていく、ノンビートで美しい静謐さに支配された作品。そして89年の『Flux + Mutability』にはカンのミヒャエル・カローリとヤキ・リーベツァイトも参加し、クラウトロック色を仄かに漂わせているのが聴きどころでござる。

MANSUN Attack Of The Grey Lantern: 21th Anniversary Edition Parlophone/Kscope/BIG NOTHING(2018)

 最後はブリット・ポップ末期の97年に登場したマンサンによるデビュー作の豪華版『Attack Of The Grey Lantern: 21th Anniversary Edition』(Parlophone/Kscope/BIG NOTHING)。グラム・ロックやニューロマ、サイケやプログレなどを消化し、いまもUKロック好きから熱烈に支持されるこの耽美なサウンドの素晴らしさを、レア音源やレア映像を加えた3CD+DVDで再確認してほしいでござるよ。 *天空海音