COLUMN

Billboard LiveプレゼンツAOR夏祭り? ボビー・コールドウェル、ネッド・ドヒニー&ヘイミッシュ・スチュアート、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスが一挙来日

(左から時計回りに)ボビー・コールドウェル、ネッド・ドヒニー、ヘイミッシュ・スチュアート、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス
 

8月、ボビー・コールドウェル、ネッド・ドヒニー&ヘイミッシュ・スチュアート、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスの3組がBillboard Liveにて来日公演を行う。ヴェテランからニューカマーまで、ファン層も重なっているであろうAORの雄が一挙にやってくるこの夏は、Billboard Liveへ足しげく通ってしまうこと必至! ここでは彼らの経歴やライヴに期待できることを紹介しつつ、来日公演に備えたいと思う。

 

まずはボビー・コールドウェル。51年、NY生まれのシンガー・ソングライターで、言わずもがなAORの代名詞的音楽家だ。ボズ・スキャッグス(新作『Out Of The Blues』は7月27日にリリース!)と並んでここ日本で親しまれ、現在でも高い人気を誇っている。日本独自のジャンル分けであるAORだが、近年では〈ヨット・ロック〉と呼ばれて欧米における再評価が進み、若い世代が彼の音楽に親しんでいる、という状況も珍しいことではなくなってきた。そんななかでも熱心に聴かれているのはコールドウェルの音楽だろう。

ボビー・コールドウェルの2008年のライヴ映像。演奏しているのは78年作『Bobby Caldwell』収録曲“What You Won't Do For Love”
 

近年はジャック・スプラッシュとのクール・アンクルというユニットでタキシードのメイヤー・ホーソーンやシーロー・グリーンらと共演したり、ケンドリック・ラマーとの仕事などで知られるテラス・マーティンがコールドウェルの楽曲をサンプリングしたり……と、その影響力の大きさは計り知れない。特に“What You Won't Do For Love(風のシルエット)”はカヴァー(最近ではジェシー・ウェアなど)、そしてサンプリングネタの定番曲となっている。

そんな彼の代表作といえば、“What You Won't Do For Love”収録のクラシック『Bobby Caldwell』(78年)。その印象的なアートワークとともに記憶され、多くのディスクガイドで紹介されてきた名盤中の名盤。あるいは、セカンド・アルバム『Cat In The Hat』(80年)も必聴だろう。同作にはJ・ディラ作、コモンの名曲“The Light”で使用された“Open Your Eyes”が収録されている。

ボビー・コールドウェルの2012年のライヴ映像。演奏しているのは92年作『Stuck On You』収録曲“Back To You”
 

ここ数年は、先に挙げたクール・アンクルなどでの活動もありつつ、度々来日公演を行っているボビー・コールドウェル。衰えを知らない力強い歌声で、オールタイム・ベスト的なセットリストを楽しませてくれることだろう。リアルタイム世代もヒップホップ経由のファンも、そして近年の再評価によって彼の魅力を知った新たなリスナーも、今回の来日公演にぜひ駆けつけてほしい。

 

続いてご紹介するのは、ネッド・ドヒニー&ヘイミッシュ・スチュアート。48年、カリフォルニアはマリブ生まれのシンガー・ソングライター=ドヒニーといえば、水浴びジャケットも有名な名盤『Hard Candy』(76年)。同作で作り上げた爽やかで、ファンキーで、透明感のあるサウンドは、70年代アメリカ西海岸のサウンドを象徴するような音(2015年には『Hard Candy』再現ライヴを日本で行っている)。東京事変が彼の代表曲“Get It Up For Love(恋は幻)”をカヴァーするなど、とりわけ日本で人気が高い音楽家であることは言うまでもない。

ネッド・ドヒニーの2015年のセッション映像。演奏しているのは76年作『Hard Candy』収録曲“Get It Up For Love”。ちなみに、これはジャイルズ・ピーターソンが主宰するレーベル、ブラウンズ・ウッドの人気セッション・シリーズ
 

そんなドヒニーと共演するのが、ヘイミッシュ・スチュアート。49年生まれ、スコットランドはグラスゴー出身のギタリストで、アヴェレージ・ホワイト・バンドのオリジナル・メンバーとして知られている。バンドでの活躍のほか、70年代後半から80年代にかけてアレサ・フランクリンやチャカ・カーン、デヴィッド・サンボーンの録音に参加。

それ以外にも80年代後半から90年代にかけてはポール・マッカートニーの89年作『Flowers In The Dirt』などへの参加やツアーへの帯同も有名で、さらにリンゴ・スターのバンドでベーシストとして演奏するなど、ビートルズ・メンバーとも縁が深い音楽家として知られている。

ネッド・ドヒニーの88年作『Life After Romance』収録曲“What Cha' Gonna Do For Me?”
 

70年代から共演や共作を重ねてきた、旧友にして音楽仲間のドヒニー&スチュアート。チャカ・カーンに提供したヒット曲“What Cha' Gonna Do For Me?”も2人の手になる楽曲だ。そんな彼らの共演ライヴは、なんと本邦初。昨年、ロンドンとマンチェスターで開催された初共演ライヴは、その貴重な演奏を聴くために往年のファンから著名DJまでもが馳せ参じ(日本のファンも駆けつけたとか)、大きな話題となった。

贅沢極まりないネッド・ドヒニー&ヘイミッシュ・スチュアートの貴重かつ歴史的な共演ライヴ、観逃し厳禁だろう。近年はアコースティック・ギターを抱えたシンプルなスタイルで弾き語りライヴを行ってきたドヒニーがバンドを従えて歌う、という点でも聴きごたえのある演奏になりそうだ。

 

最後はヤング・ガン・シルヴァー・フォックス。本稿では最若手、さまざまなユニットで活動するマルチ奏者のショーン・リーと、ロンドンのモダン・ソウル・バンド=ママズ・ガンのリーダーであるアンディ・プラッツによる2人組だ。

5月にリリースされた『AM Waves』は「77~82年頃の録音かと勘違いしてしまいそうなウェストコースト産ポップス」と評されているが、まさにその通りのサウンド。上述のネッド・ドヒニーに代表されるような西海岸サウンドの探究を行っているのがヤング・ガン・シルヴァー・フォックスの2人だ。

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスの2016年のライヴ映像。演奏しているのは2015年作『West End Coast』収録曲“Distance Between Us”
 

演奏や編曲、ギターやシンセサイザーの音色、そしてリーとプラッツのヴォーカリゼーションやコーラスはまさしくAORそのもの。だが、それらをモノマネやトリビュートでなく、完璧に自分たちのものにしているのが彼らの個性で、懐かしさとフレッシュさが同居する稀有なバンドだ。

初の来日を果たすヤング・ガン・シルヴァー・フォックスは、いつも通り4人という最小限の編成で演奏を行うとのこと。ビル・ウィザースの“Lovely Day”を無邪気に、だが真摯に演奏する姿はぜひ生で。ボビー・コールドウェルやネッド・ドヒニーのファンのハートを確実に射抜くこの注目の若手AORユニットの公演には、ぜひヴェテランAORリスナーも駆けつけたいところ。

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスの2017年のライヴ映像。演奏しているのはビル・ウィザースの“Lovely Day”
 

以上、〈Billboard LiveプレゼンツAOR夏祭り〉とも呼べそうな(?)、この夏要注目の3組の公演。日本ではお馴染みのボビー・コールドウェル、歴史的共演のネッド・ドヒニー&ヘイミッシュ・スチュアート、そして気鋭の若手ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスの初来日と、いずれも観逃せないライヴばかり。暑い日差しが照りつける8月は、爽やかなサウンドを求めて毎週のようにBillboard Liveへ通うことになりそう。

 


Live Information
ボビー・コールドウェル

2018年8月3日(金) Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 17:30/開演 18:30
2ndステージ 開場 20:30/開演 21:30
サービスエリア 12,500円/カジュアルエリア 11,500円

2018年8月4日(土)、5日(日) Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 15:30/開演 16:30
2ndステージ 開場 18:30/開演 19:30
サービスエリア 12,500円/カジュアルエリア 11,500円
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2018年8月7日(火) Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場 17:30/開演 18:30
2ndステージ 開場 20:30/開演 21:30
サービスエリア 12,800円/カジュアルエリア 11,800円
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●来日予定メンバー
ボビ-・コールドウェル(ヴォーカル/キーボード/ギター)
マーク・マクミレン(キーボード/バックグラウンド・ヴォーカル)
アンドリュー・ニュー(サックス/バックグラウンド・ヴォーカル)
カーライル・バリトウ(ギター/バックグラウンド・ヴォーカル)
ロベルト・バリー(ベース/バックグラウンド・ヴォーカル)
トニー・ムーア(ドラムス)

 

ネッド・ドヒニー&ヘイミッシュ・スチュアート
2018年8月17日(金) Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 17:30/開演 19:00
2ndステージ 開場 20:45/開演 21:30
サービスエリア 9,400円/カジュアルエリア 8,400円
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2018年8月20日(月) Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場 17:30/開演 18:30
2ndステージ 開場 20:30/開演 21:30
サービスエリア 9,500円/カジュアルエリア 8,500円
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2018年8月21日(火) Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 17:30/開演 19:00
2ndステージ 開場 20:45/開演 21:30
サービスエリア 9,400円/カジュアルエリア 8,400円
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●来日予定メンバー
ネッド・ドヒニー(ヴォーカル/ギター)
ヘイミッシュ・スチュアート(ギター)
ジム・ワトソン(キーボード)
ロス・スタンレー(キーボード)
スティーヴ・ピアース(ベース)
ジェレミー・ステイシー(ドラムス)

 

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス
2018年8月16日(木) Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場 17:30/開演 18:30
2ndステージ 開場 20:30/開演 21:30
サービスエリア 7,500円/カジュアルエリア 6,500円
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2018年8月18日(土) Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 15:30/開演 16:30
2ndステージ 開場 18:30/開演 19:30
サービスエリア 7,400円/カジュアルエリア 6,400円
★詳細はこちら

●来日予定メンバー
ショーン・リー(ヴォーカル/ギター)
アンディー・プラッツ(ヴォーカル/ピアノ)
デイヴィッド・ペイジ(ベース)
エイドリアン・ミーハン(ドラムス)