INTERVIEW

NoisyCell『Wolves』 ラウド・ロックの範疇に収まり切らない多彩なアレンジでバンドの曲がらない信念を提示したニュー・アルバム!

NoisyCell『Wolves』 ラウド・ロックの範疇に収まり切らない多彩なアレンジでバンドの曲がらない信念を提示したニュー・アルバム!

メンバーそれぞれの、そして楽曲の持つ可能性を追求してきた4人が提示する、曲がることのない信念。ラウド・ロックを起点に幅広いリスナーへリーチする最高傑作の登場だ!

 「今までは何か守らなきゃいけないものがあって、それを崩すことが怖かったんです。だけど、死ぬまでこのバンドをやっていきたいし、そのためにも強くなりたいと決めたときに、崩したくないと思っていたものを簡単に崩せた。今作は多くの人に届くものになったと自負しているんですけど、そういう決意や覚悟が、このアルバムへ繋がっていったと思います」(Ryosuke、ヴォーカル/ギター)。

 まごうことなき最高傑作と断言したい、NoisyCellの2枚目となるフル・アルバム『Wolves』。サウンド・プロデューサーにONE OK ROCKやMAN WITH A MISSIONなどを手掛けるakkinを迎え、4人が今できることのすべてを注ぎ込むことでバンドの現在地点を刻み付けた全15曲の超大作は、〈狼たち〉と名付けられた。

NoisyCell Wolves バップ(2018)

 「前作の『Pieces』は、4つのピースが集まってようやくひとつになれる感じだったんですよね。だけど、寄り添い合うのではなく、確固とした力強い4つの個が集まったものが、今のNoisyCellであって。孤高というか、〈孤独だけど強い〉みたいな」(Ryosuke)。

 表題曲の“Wolves”をはじめ、本作には〈孤高〉や〈孤独〉といったワードの浮かぶ曲が多い。それと同時に、R&B/ヒップホップ・テイストなループするビート感が心地良い“Tiny”や、アコギをフィーチャーしたアンビエント感のある“創生記”といった包容力や優しさを感じさせる楽曲も収録。近年はラウド・ロックの範疇に収まり切らないアレンジでバンドの可能性を追求してきた彼らだが、今作ではその範囲をさらに拡張。それらが散漫とならず、ひとつの筋を持って提示されているところも見事だ。

 「〈喜怒哀楽の全部を振り切って表現したい〉という話をメンバーとしてたんですよ。喜怒哀楽の端から端まで、今まで以上に広げたものを出していけば、それが自然とアルバムの個性になるんじゃないかなって。だから、ジャンルの括りとかは意識せずに、その曲が求めているアレンジは何なのか、どうすればその曲の個性が一番出るのかをすごく考えていました」(Ryo、ギター/プログラミング)。

 NoisyCellには2016年にKiara(ベース)とTatsuya(ドラムス)が加入し、『Wolves』が現体制では初のフル・アルバムとなるのだが、リズム隊が強烈なグルーヴを放つ“Odd Afternoon”など、今作は2人にスポットライトが当たる場面も多い。Ryosukeいわく、「今まではRyoが作る曲を歌う、弾くという感じだったけど、今回はバンド全体で曲をブラッシュアップさせていく感覚が強かった」そうだ。

 「例えば、僕が作ったデモを原石とすると、それをどういう色や形にするかをakkinさんも交えながら話をして、それが決まったら、そこからどんなヤスリを使って磨くかはそれぞれに任せるっていう。そういう信頼関係が必要だと思っていたし、その方法を取ったことで、全員の曲に対する責任感が増えました。KiaraもTatsuyaも自分のことは死んでもやり遂げる気概があったし、個性が爆発していると思います」(Ryo)。

 「やっぱり歌詞ってバンドが発する言葉であって、俺はそれを担っているわけだから責任もあるんですけど、そうするとなおさら俺らしくいなきゃいけないんですよね。強いアルバムだから強い歌詞ばかり書くのは嘘をついていると思うし。だから、今回の歌詞は俺の人間性が反映されていると思う。その曲が持っているイメージをそのまま書いたら自然とこうなった感じもあります」(Ryosuke)。

 また、先行シングルの“Letter”と“時間飛行”ではメロディアスな歌を全面に押し出すことで〈ポップス〉としての強度を高めていたが、今作においては“Light”でその方向性をさらに推進。ロック・リスナーに限定せず、〈多くの人に届くもの〉をめざした本作のトータリティーを考えるうえでは、ラストを同曲で締めるという案もあったという。だが、彼らがエンディングとなるインストの前に実質的なクローザーとして据えた楽曲は、激情的なバンド・サウンドをヴァイオリン奏者の岡部磨知によるストリングス・カルテットが盛り立てる、NoisyCell史上もっともエモーショナルなナンバー“真昼の月”。そうした選択にはNoisyCellというバンドの矜持と個性が表れていると思う。

 「このアルバムを通して、バンドとして曲がらない信念をひとつ共有できたと思うんですよ。それが自信に繋がったし、それを信じてこのまま突き進んでいけばいいんじゃないかなって思ってます」(Ryo)。

 大切なことだから最後にもう一度言わせてほしい。『Wolves』はNoisyCellらしく新たな地平をめざした、まごうことなき最高傑作だ。ここから彼らの快進撃が始まる。

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