彼らのずいぶん長い歩みを実感する、結成10周年を飾る9作目。自身の代表曲へのアンサー的な“33才の夏休み”は、大人であることのやるせなさと無常感をしっかり見据えていて、この真摯な目線がかつての破天荒な振る舞いと地続きであることに胸を打たれる。サウンドは前作の多面性からストレートな路線に回帰し、サマー・ソング中心の構成を盛り立てる。悪意や攻撃性も健在で、安易な成熟に向かわないのも〈らしさ〉だ。