イーノとの共作「第四世界」シリーズの再発で大きな話題を生んだが、ここにきてとんでもないものが誕生した。アンビエント界最大のトランペッター、ジョン・ハッセルが9年ぶりに新作を発表。「Pentimento≒透けて見える下絵」と題された新たなシリーズで、絵画の如く重ねられた音の色彩を表現。現代的なエレクトロニカの上にエフェクトがかけられたアコースティック音が重なるかと思えば、50年代の電子音楽を思わせる下地にピアノが乗る。お得意のワールドミュージック色も仄かに香る最終トラック《Ndeya》も擁する40分8トラックは“鬼才いまだ健在!”をまざまざと見せつけてくれた。