J-Popそのものの歴史、あるいはJ-Popとサザンとのせめぎ合いの記録

サザンオールスターズの40周年を記念して、プレミアムアルバム『海のOh, Yeah!!』が8月1日に発売される。タイトルから想像されるように、1998年にリリースされメガヒットを記録した、『海のYeah!!』の続編ともいうべきものだ。つまりサザンの40年の歴史の後半20年をコンパイルした作品である。

サザンオールスターズ 海のOh, Yeah!! タイシタ(2018)

時代的には90年代の後半以降に発表された作品でまとめられているということだが、この時期は、いわゆる〈J-Pop〉というものが出現し世の中に定着した時期とほぼ重なっている。その時期もサザンはずっと第一線で活躍してきているわけなので、この『海のOh, Yeah!!』はある意味でJ-Popそのものの歴史をトレースしている作品であるということもできるではないだろうか。そして、そのことは裏を返せば、J-Popと(サザンと)のせめぎ合いの記録であるともいえる。つまりJ-Popを見事に昇華したアルバムが今回の『海のOh, Yeah!!』なのである。

〈プレミアムアルバム〉とは良く言ったものである。タイトルもジャケットもこの上なくポップでありつつ、そこはかとなく高級感が漂うこの感じ。サザンオールスターズでしか実現できないこの絶妙さを、30曲以上の素晴らしい楽曲群とともに大いに味わっていただきたい。