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BUMP OF CHICKEN 『TOUR 2017-2018 PATHFINDER SAITAMA SUPER ARENA』 バンドが23年目に向かう瞬間を、臨場感あふれた映像とともに

BUMP OF CHICKEN 『TOUR 2017-2018 PATHFINDER SAITAMA SUPER ARENA』 バンドが23年目に向かう瞬間を、臨場感あふれた映像とともに

BUMP OF CHICKENが22年目から23年目に向かう瞬間が、臨場感にあふれた映像とともに刻み込まれている

BUMP OF CHICKENの全国ツアー「BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER」のファイナル公演(2月10日、11日/埼玉・さいたまスーパーアリーナ)は半年経った現在も、しっかりと記憶に焼き付いている。最新曲、代表曲、初期の曲を網羅したセットリスト、壮大なスケール感と温かい親近感を同時に感じさせてくれる演出、そして、すべてのフレーズを観客ひとりひとりに届けようとするステージング。それはまさにバンド結成22周年目の記念碑的なライヴだったと思う。

BUMP OF CHICKEN BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER SAITAMA SUPER ARENA Toy's Factory(2018)

Blu-ray & DVD『BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER SAITAMA SUPER ARENA』は、このファイナル公演の2月11日のステージを収めたライヴ映像作品だ。本編、アンコールをすべて収録した〈PATHFINDER完全版〉としてリリースされる本作には、BUMP OF CHICKENが22年目から23年目に向かう瞬間が臨場感にあふれた映像とともに刻み込まれている。

まず印象に残るのはバンドのキャリアを総括するかのような、さまざまな時期の楽曲によるセットリスト。ライヴ序盤から4人は“GO”、“天体観測”、“ray”といった代表曲を次々と演奏。レーザー、紙吹雪を効果的に使った空間作り、アリーナ中央の花道そのものをスクリーンにした映像など、祝祭感に溢れたステージングも素晴らしい。多くのファンに親しまれてきた名曲にまったく新しい演出を施すことにより、斬新な表現へと導いていているのだ。

さらに2017年にリリースされた“リボン”(「Galaxy」CMソング)、“記念撮影”(「カップヌードル」CMソング)という最新の楽曲も披露。いずれも昨年を代表するデジタルシングルだが、2曲とも新しいライヴ・アンセムとしてしっかりと機能していた。新旧の楽曲が有機的に絡み合う場面も、本作の見どころだろう。

ライヴの中心にあるのはもちろん、4人が紡ぎ出す〈音〉と〈歌〉そのものだ。藤原基央(ヴォーカル、ギター)による普遍的なメッセージを含んだ歌詞、ブルースとポップとロックが自然に混ざり合った旋律、それを支える升秀夫(ドラムス)、直井由文(ベース)、増川弘明(ギター)のオーガニックにしてダイナミックなアンサンブル。日本を代表するスタジアム・クラスのロックバンドとして存在している彼らだが、まるでバンドを始めたばかりのような瑞々しい雰囲気、そして、オーディエンスと1対1で対峙しようとする姿勢は、22年前と何も変わっていない。

アリーナの中央に花道を作り、何度も観客の側に行って演奏していたのも、〈できるだけ近くで音楽を届けたい〉という意志の表れだと思う。バンドとオーディエンスの密な関係性を改めて確認できるのも、この映像作品の魅力だ。

MCのなかで藤原は〈ひとつだけ伝えさせてほしい。僕は、僕たちは、バンドを組んで良かった。本当にどうもありがとう〉と語った。〈(未開地の)探検者、(学問などの)開拓者〉を意味する「PATHFINDER」というツアータイトル通り、新たな表現の地平と進み始めたBUMP OF CHICKEN。

〈バンドを組んで良かった〉という純粋な思いと、どこまでも自分たちの音楽を深めていきたいという意志がひとつになった貴重なライヴをすべての音楽ファンに体感してほしいと願う。

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