「ゲンダイオンガクは小難しくなんてない! 面白いんだ!」といくら僕が主張してもなかなか聞き入れてもらえない。そこに「こんな本を待っていた!」と叫びたくなる良書が刊行された。テキストのような装丁で20世紀以降の作曲の技法を極めて平易に解説。セリー、クラスターなどとっつきにくい専門用語もわかりやすくまとめている。「へー、作曲家たちはこーんなこと考えていたのかぁ」と現代音楽が身近に感じること間違いない。また各章冒頭の引用も思わずクスっとなり著者・木石岳氏の力強いメッセージが垣間見える。これは作曲をする人のための書ではない、音楽を愛する全ての人のためのガイドだ。