デビュー20周年記念盤。川畠成道が、満を持して『バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』全曲を録音しました。なんでも、20周年の節目に録音したいと10年前くらいから構想を練っていたそうです。1音1音を耳でしっかり聴きながら丁寧に演奏しているのがわかります。技巧も素晴らしいもので、この難曲で多用される重音も難なくこなし、シャコンヌでの中盤、細かなパッセージにこちらも気分が高揚していきます。2004年に発売したアルバム『シャコンヌ』も良かったのですが、聴き比べてみると、聴き手に直接訴えかけてくる一層深みを増した音色が胸に刺さります。