レインコーツのフロントウーマンであるアナと、日本が誇る奇才Phew――ポスト・パンクの女傑レジェンド2人が組んだ驚愕のコラボ盤だ。コズミックな色調で淡々と波打ち、時に渦巻く電子音のレイヤーを背景に、ポルトガル語と日本語で対話しているかのようなヴォーカルの応酬が実にストレンジ。ファイル交換によって制作されたという過程も含め、まるで音と声による文通の如きポップ・エクスペリメンタルの逸品。

 


日英のパンクの巨頭が手を組んだ! ザ・レインコーツのアナ・ダ・シルバと電子音楽家Phewの二人が紡ぐコラボレーション・アルバム。Emailでのやりとりとファイル交換という過程で創られたというが、繊細さとパンチが綺麗に絡み合う綿密な音に仕上がっている。日本語とポルトガル語という双方の言語と、それを伴奏する電子音が交わり溶け合う。(日本人なのでつい)時折現れる日本語の単語にドキッとしつつも、涼しくも詩的な空気に耳を預けてしまう。言葉がこれほどアンビエントになるのは声質もさることながら電子音とのバランスが綿密だからなのかもしれない。