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史上最強のオーシャンズ新結成! オール女性キャストで描くクライムエンタテインメント!

 〈オーシャンズ〉シリーズのリブート版となる映画『オーシャンズ8』は、音楽的な側面から見ると、サンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンを中心とする女性犯罪チームのメンバーとしてリアーナやオークワフィナといったシンガー/ラッパーが起用されていることが話題を集めている。そして、劇中に挿まれる、ノトーリアス・BIG、ケリース、エイミー・ワインハウス、カーティス・メイフィールド、ブラック・キーズ、サミー・デイヴィスJr.などによる幅広い年代の名曲も印象深い。

DANIEL PEMBERTON 「オーシャンズ8」オリジナル・サウンドトラック ソニー(2018)

 そんな名曲とともにドラマに躍動感を与えているのが、インストゥルメンタルのスコア(サントラ)だ。これまでのシリーズではデヴィッド・ホルムズが担当していたものを、今回は『コードネームU.N.C.L.E』(2015年)のサントラ制作で映画音楽家としての名声を確立したダニエル・ペンバートンが手掛けている。リズミカルなボッサやサイケなジャズ・ファンクなど、ラウンジ、モンド、ストレンジとも呼びたくなる楽曲群は、ラロ・シフリン(『スパイ大作戦』)やクインシー・ジョーンズ(『ミニミニ大作戦』)といった往年の映画/TVスコアを手掛けた巨匠たちの作法を受け継いで現代に呼び起こしたような趣。鍵盤を弾くダニエルのほか、ケニー・ウォルセン(ds)、シャーザッド・イズマイリー(b)、ティム・ルフェーヴル(b)、レオ・エイブラハムス(g)など、現行ジャズやインディ・ロック界隈で活躍する名手らが紡ぐサウンドは、犯罪チームのメンバーたちがマジカルな手腕を次々に披露する映画の緊張感をヴィヴィッドに表現している。

 《Brooklyn Necklace》と《Moog Necklace》はレア・グルーヴ方面でも定番のジャン=ジャック・ペリー《E.V.A.》のリメイクで、こうした引用のセンスは過去にDJヴァディムともコラボしていたダニエルの来歴を伝えるものだろう。古き良き感覚の中に現代性をさりげなく織り込んだ、若きマエストロによる快作スコアだ。

 


FILM INFORMATION

「オーシャンズ8」
監督:ゲイリー・ロス
出演:サンドラ・ブロック/ケイト・ブランシェット/アン・ハサウェイ/ミンディ・カリング/サラ・ポールソン/オークワフィナ/リアーナ/ヘレナ ボナム=カーター
配給:ワーナー・ブラザース映画
◎全国公開中!
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