近年はマック・ミラーとの交際がゴシップ系メディアを大いに賑わせていたアリアナ・グランデだが、ピート・デヴィッドソンと婚約後の初リリースとしても注目が集まる今作は、フォー・シーズンズを熱唱する序曲からスタート。これ見よがしなトレンドに寄せない志向は前作『Dangerous Woman』にもあったものの、昨年のテロ被害が愛と包容力に溢れた歌世界へ向かう意識をより強くさせたのは想像に難くない。先行曲“the lLight is coming”を手掛けたファレルが半数のプロデュースを担当し、往年のネプチューンズ的な筆捌きで全体の印象を2000年代R&B風味に色付けている。敏腕イリヤらが持ち込んだモダンなポップネスとの心地良い相乗効果もあり、品格のある歌で心が満たされるような快作。良い。