今注目のコンビによるショスタコ第3弾。昨年来日時の演奏曲目である写実的な第11番と、最大規模にして最強の作品と言える第4番という超重量級のカップリングに驚くが、現在のオケの実力と指揮者の力量、そして会場を含めた録音の優秀さが際立つ、現代最高のショスタコ・アルバムのひとつなのは確かであろう。速めのテンポで始まる第4番では、決め所での確実な楔と、聴き手の機微に触れる絶妙なフレージングが見事に決まる。第11番でのまるでその場に立ち会っているかのようなリアルさと、その裏の感情との対極も感嘆もの。次回の第6&7番の新譜も期待大。