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次に日本でブレイクするシティー・ポップな海外アーティストは誰?

 昨今のシティー・ポップ・ブームのなか、土岐麻子やceroらと共演を重ねてファン層の拡大に成功したベニー・シングス。同じ感じで本国を凌ぐほど日本での人気を集めているアーティストと言えば、tofubeatsのカヴァーやEspeciaとのコラボで高評価を得たインドネシアのイックバルが挙げられます。では、彼らに続く海外のシティー・ポッパーは誰でしょうか。

 まずは、今年5月に初来日したロンドン在住のプレップです。アルーナジョージらを手掛けたダン・ラドクリフを中心に、ハウスDJやクラシック音楽の作曲家など異なるキャリアを積んできた面々で構成されているバンド。そのサウンドは彼らの音源を聴いて思わず〈Yacht Rock Forever!〉とツイートしてしまったベニーの言葉そのまんまで、シティー・ポップ人気が過熱中の韓国やタイでも軒並みツアーがソールドアウトしたとか。タイと言えば、STUTSの新作に参加しているプム・ヴィプリットも注目の名前ですね。

 続いてのジョーイ・ドシクは、『City Melody』に客演しているモッキーのサポートとして腕を磨いてきた人物。初のソロEP『Game Winner』(2016年)発表前に来日公演を行うなど、何やら最初から照準を日本に定めていた模様です(ホントに?)。間もなく到着するファースト・アルバム『Inside Voice』には、モーゼス・サムニーらモッキー作品の準レギュラーたちがこぞって参加しているようなので、これは期待できそう!

 最後は、先の〈サマソニ〉出演に合わせて昨年の初作『Apricot Princess』が日本でのみCD化されたレックス・オレンジ・カウンティ。ベニーとは一緒に楽曲を作った仲で、ウーター・ヘメルにほんの少しグライム要素を足したような作風は、ベニーが主宰するドックス好きなら無視できないのでは? *山西絵美