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日本勢との縁が深いピーボの存在感

 先だってもアリアナ・グランデ&ジョン・レジェンドが歌った“Beauty And The Beast”など、ディズニー歌曲を通じてのピーボの人気が世代も国境も越えるのは言うまでもないが、日本のある世代にとっては往年の小柳ルミ子と大澄賢也が歌い踊った曲として“Tonight, I Celebrate My Love”も馴染みがあったかもしれない。気恥ずかしいほどベタな甘さを極めた同曲のイメージは、ロマンティックなピーボのわかりやすさを浸透させたことだろう。

 そんなこんなで(?)ピーボは日本のアーティストとも積極的に絡んできた。ディズニー特需前の91年に杏里と“Voice Of My Heart”で共演しているのは例外的だが、中西圭三との“What I Do For LOVE”(97年)をはじめ、倖田來未とはかの“A Whole New World”(2006年)を披露、ライヴ音源となるKの“Bridge Over Troubled Water”(2007年)、石井竜也の“WALKING”(2010年)、小柳ゆきの“Here For You”(2014年)など、日本作品への登場はかなり多いほうだろう。また、久保田利伸の英詞カヴァー集で“夜に抱かれて”を歌ったり、宇多田ヒカルのトリビュート盤ではジャム&ルイスと組んで“Sanctuary”を披露してもいる。何やら無節操のようではあるが、それが新作の取っ掛かりになっていたり、同作では“Here For You”をセルフ・リメイクしてもいるから流石なのである。 *出嶌孝次

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