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部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう!

BUFFALO SPRINGFIELD What's That Sound?: Complete Albums Collection Rhino(2018)

 まったく、キャス先輩はとんでもねえことを言い出すから参るぜ。気を取り直して夏休みの戦利品でも報告すっか。まずはバッファロー・スプリングフィールドの5枚組ボックス・セット『What's That Sound?: Complete Albums Collection』(Rhino)。彼らが残した3枚のアルバムのうち、初作『Buffalo Springfield』(66年)と2作目『Buffalo Springfield Again』(67年)それぞれのステレオ/モノラル音源と、3作目『Last Time Around』(68年)のステレオ音源を収録した少々マニアックな逸品。音の感触がずいぶん異なるんで、じっくり聴き比べてみるのがオツってもんだぜえ!

RICHIE HAVENS Something Else Again Verve Forecast/BSMF(2018)

 お次は〈黒いボブ・ディラン〉の異名を取るシンガー・ソングライター、リッチー・ヘイヴンスが67年に発表した2作目『Something Else Again』(Verve Forecast/BSMF)だ。イエスがカヴァーした疾走感溢れる冒頭のアコースティック・グルーヴや、デ・ラ・ソウルがネタ使いしたサイケデリックなシタールの蠢く表題曲など、聴きどころ満載!

DANIEL TAKES A TRAIN Style, Charm And Commotion Firestation/BAD FEELING(2018)

 続いてのダニエル・テイクス・ア・トレインによる編集盤『Style, Charm And Commotion』(Firestation/BAD FEELING)は、キャンディ・オペラの発掘音源で好事家を唸らせたファイアステーションの次なる隠し球。アズテック・カメラやペイル・ファウンテンズを彷彿とさせる80sの良質なオブスキュア・ネオアコの秘宝に、思わず身体がのけぞっちまったぜ。なぜ無名のままだったのか謎すぎるし、本人たちの冴えないルックスすら愛おしく感じちまうから不思議だよ。

THE DURUTTI COLUMN M24J: Anthology Factory Benelux./ALTERNATIVE WAVES(2018)

 最後はニューウェイヴ世代きっての異能ギタリスト、ドゥルッティ・コラムの2枚組ベスト『M24J: Anthology』(Factory Benelux./ALTERNATIVE WAVES)だ。79年から2011年までの楽曲を万遍なくセレクトしていて、ポスト・パンクやアンビエント・ポップなど、時代に合わせて変化してきた彼の音楽遍歴を知るには格好のテキスト。80年の未発表ライヴ音源が収録されているのも嬉しいじゃねえか。 *野比甚八