ブラジルのグルーヴ・マスターが、〈センスの尺度〉なるタイトルを掲げたニュー・アルバムをリリース。80年代のスティーリー・ダンあたりを連想させる浮遊感に溢れたリゾート系AORに混じって、今回は都会的なナンバーが増えた印象だ。クリスタルな夜間飛行へと誘うブラコン調“Your Satisfaction Is Mine”など、彼が愛する日本産シティー・ポップからの影響を従来以上に色濃く反映させているのも興味深い。

 


都会派ポップ路線の快進撃を続ける、ブラジルのAORマスター、エヂ・モッタ。2013年の前々作『AOR』がジャジー&メロウ、2016年の前作『Perpetual Gateways』がディープ&スウィート、としたら本作は〈スウィーテスト・ベリー〉風味ということになるか。と、そんなタイトルの、あまく危険なビート感が粋なナンバーがキー・トラックでもある最新作。厚塗りのメロウネスをそぎ落とした爽快さと適度にブリージーな空気感が共存したハイ・クオリティ・ポップ・サウンド。日本のシティ・ポップス好きということもあり、どこか我々日本人が共感を覚えるジャジー・チューンが揃う。