前作『ARCH』から3年9か月ぶりとなるニュー・アルバムは、シングル曲“詩踏み”“人間を被る”を含む全13曲入りという内容。今作も衝動的なリフ、妖艶なメロディー、予測不能の曲展開を盛り込みつつ、これまで以上にアグレッシヴな勢いを押し出した曲調が目立つ。フィジカルな躍動感を高める一方、細部のアレンジに気を配った一癖も二癖もあるフックも健在。電子音を隠し味程度に盛り込んで、肉体的なバンド・サウンドと上手く融合させている。フルスロットルで攻める冒頭曲“軽蔑と始まり”から凄まじい緊張感を維持したまま、歌心溢れるラストの“Ranunculus”を聴いた時には、異形の美を感じさせる〈歌詩〉世界と相まって、映画のエンディングを迎えたような感動に包まれる。