エスペランサやソランジュと同じ地平を望んでいる”という謳い文句に引っかかったので聴いてみると、音楽性は違えども、なるほど、と納得したのはその透き通るような歌声だった。サウンドはしっかりとジャズに根ざし、ニューヨーク・コンテンポラリーや、ECMのようなヨーロッパのサウンドも自己流に昇華。膨大な情報量を2枚組みの超大作にまとめあげたアレンジセンス、プロデュース力も秀逸。2014年にデビュー作をリリースしているが、パッケージ化は本作が初となる。ジャケットのアートワークのように、モノクロのグラデーションが重なることによって壮大な世界が表現されている。