パレ・シャンブルグの時代から数えると40年近く第一線で活動している、もはや怪人といえる翁の最新ソロ作。重くダビーなミニマルや実験的なテクノが淡々と進むなか、ちゃんと展開や仕掛けがあってそのひとつひとつが美しくカッコ良い。牧歌的でダブでロックな“Neverevernever”というラスト前の曲が最高で、その後に幽幻なアンビエントでアルバムを締める完璧な構成に、齢60を超える手練れの奥深さを感じます。