ウディ・アレン「ミッドナイト・イン・パリ」で、現代から1920年代のパリにタイムスリップした主人公が、ダリの友人に映画のアイデアを進言するシーンがある。晩餐会の客が帰ろうとするが客間から出られない、理由はないが出られない、というアイデアだという。それに対してダリの友人は「なぜ出られない?」とばかり主人公に聞き返すのだが、このダリの友人=ルイス・ブニュエルが後にそのアイデアのまんまの映画を撮り上げたというのが本作だ。アイデアに対してどこまでも律儀なところがいちいち最高! 不条理コメディの金字塔!