今を輝く若手二人の初共演は〈シャイニング・シリーズ〉で!

 ロン=ティボー国際コンクール、エリザベート王妃国際音楽コンクールでの第2位受賞をはじめ、名だたる国内外のコンクールで優勝や上位入賞を果たしたヴァイオリニストの成田達樹と、フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位というアジア人男性ピアニスト初の快挙を成し遂げた阪田知樹。クラシック界の第一線を駆け抜ける二人が、国内外で活躍する若手を紹介する東京文化会館のコンサートシリーズ、〈シャイニング・シリーズ〉に登場する。

 「実際に会うのは今日が初めてなんですが、以前からお互いの演奏は聴いていました。今回共演できるのがとても楽しみです。二人でプログラムはじっくり決めていきましたね」(成田)

 フランクのヴァイオリン・ソナタを中心に、シュニトケによる《きよしこの夜》やシマノフスキの《神話》、ラヴェルのヴァイオリン・ソナタなど、多彩な選曲だ。 「フランクを最初に決めました。数多くのヴァイオリンソナタの中でも最高峰に位置づけられるものだと思います。はじめて成田さんと一緒に演奏させて頂くということにあたってフランクをぜひやりたくて」(阪田)

 「それを軸に、せっかくクリスマスなので《きよしこの夜》をいれたり、二人がよく演奏するフランス系の作品をいれていきましたね」(成田)

 シュニトケの《きよしこの夜》は通常想像するものとは違う世界が広がり、二人の高い音楽性を存分に楽しめる作品。また作曲家の知名度の割に聴ける機会の少ないラヴェルやシマノフスキを注目の二人の演奏で聴けるのは非常に貴重だ。

 「標題のある作品を入れたい、というのもありました。プログラムを見ただけでもイメージが広がるようにしたくて。またラヴェルのソナタは成田さんがコンクールで演奏されたものを聴いたことがあり、それが作品の芯に切り込むような演奏だったので、ぜひご一緒したかったんですよね」(阪田)

 お互いの演奏に対するリスペクトが端々から伝わってくる二人だが、当日はちょっとした“仕掛け”も考えているそうだ。

 「当日はちょっと演劇的な要素も入れたいなと思ってるんです」(成田)

 「計画は聞いてるんですけど、一体どんな風になるのか想像もつかないので僕も楽しみです(笑)」(阪田) 感覚的で、一見クールながら時に周りを爆笑の渦に巻き込むユーモアを発揮してくれる成田と、非常に知的で、空気や人の気持ちを読み取ることに非常に優れた阪田は演奏においても抜群のコンビネーションを聴かせてくれるに違いない。

 


LIVE INFORMATION

Music Program TOKYO  シャイニング・シリーズVol.4
成田達輝×阪田知樹 デュオコンサート
○12/21(金)18:30開場/19:00開演
出演:成田達輝(vn)阪田知樹(p)
【曲目】シュニトケ:きよしこの夜
シマノフスキ:神話 op.30
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
ラヴェル:『鏡』より 第4曲「道化師の朝の歌」
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調 op.27-6
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
会場:東京文化会館 小ホール
www.t-bunka.jp/stage/host_10849.html