DISCOGRAPHY
21世紀をロックするクイーンの子孫たち
現在までに至るモダンなクイーン再評価ブームを決定付けたのは、『A Night At Opera』にインスパイアされて生まれたこの名盤。“Welcome To The Black Parade”だけでも影響は明白です。ジェラルドはソロのライヴで“We Are The Champions”をカヴァーしていたりも。
2000年代初頭のデビュー時からクイーンを引き合いに出されてきた彼ら。解散状態からの復活後も独自のハード・ロック道を進みつつ、2015年には何とロジャー・テイラーの息子であるルーファスがドラマーとして加入、この最新作では全曲で叩いています!
弾けるようなピアノに乗せて登場した頃から、クイーン風の音楽性やアクションで脚光を浴びたミーカ。当然本人も意識はあったに相違なく、こちらの最新作では自身の病を知った当時のフレディをイメージしたという“Last Party”を収め、さらに深い表現に踏み込んでいます。
THE PRETTY RECKLESS Going To Hell Cooking Vinyl/ビクター(2014)
女優/モデルのテイラー・モムセンが率いるバンドは、本作にて“We Will Rock You”そっくりの“Heaven Knows”を披露。ピンクやケイティ・ペリーらの流れをも受け継ぐタフな女王によって、より若い世代にクイーンの存在が知られていく機会は今後もありそう。
説明不要でしょうが……“Radio Ga Ga”から取った名前の由来を改めて認識させる出来映えだったのが、ここに収録の壮大なクイーン調バラード“Speechless”でした。この後の『Born This Way』にはブライアンがギターで参加した“We Will Rock You”風の“You And I”を収録!
ストラッツが出てくるまでは数少ないフレディ・フォロワーの筆頭に挙げられていたのがこのネイト。本隊ファンでのヒット作『Some Nights』を特徴づけていた華麗なるクイーン感覚は、朗々たる歌唱やサウンド的にも地続きなこのソロ作品でも味わうことができます。
デビュー時より〈フレディ・マーキュリーの再来〉と騒がれたルーク・スピラーをフロントに擁するバンド。英国ロックのグラマラスな部分を抽出した存在感に艶と逞しさを兼備した歌唱も、さらにはフレディやガガと同じザンドラ・ローズの衣装、しかも顔まで似てるとは!
ワン・ダイレクションから個々がソロ展開するにあたって、もっともトラディショナルな英国ロック路線を選んだのがハリー。当人もボウイやクイーンを引き合いに出していたこのソロ・デビュー作では、コールドプレイ+クイーンっぽい“Sign Of The Times”あたりに注目を。
エンターテイメント性を重視したキャッチーな音楽性を志向する彼はクイーンやミーカの屈託ないオマージュでも有名。ディズニー楽曲集『Thank You Disney』で〈アナ雪〉の“Let It Go”を取り上げた際も女王つながりな意匠でゴージャスに仕上げていました。その愛に感服!
美しい旋律と昂揚感をEDMのシーンで追求するゼッド。先だっても〈the best band of all time〉とツイートしていた通り、クイーンから受けた音楽的な影響は絶大だそう。DJセットでも“Bohemian Rhapsody”や“Don't Stop Me Now”などを組み込んで大舞台を揺らしています。
PANIC! AT THE DISCO Pray For The Wicked DCD2/Fueled By Ramen/ワーナー(2018)
サントラ『Suicide Squad』(2016年)にて“Bohemian Rhapsody”のカヴァーを披露するよりずっと昔からフレディ好きを公言してきたブレンドン。一人ユニットになった頃から歌唱も憧れに近づいてきたようで、ミュージカル仕立ての本作はフレディmeetsシナトラな威厳もあり。
歌唱面ではフレディに比肩するレンジの持ち主であり、2012年から〈クイーン+アダム・ランバート〉名義で継続的にライヴ活動をしているアダム。その流れもあって、本作の“Lucy”にはブライアンがギターで参加しています。今後はクイーンとの新録作にも期待したいところ!