「完璧な血筋を引くフランスのピアニスト」(グラモフォン誌)であるシャマユが、ラヴェルの次にサン=サーンスに取り組むというのは実に自然な流れで、あのラヴェルのピアノ作品集の素晴らしさからすれば、本盤の成功は最初から約束されているようなもの。サン=サーンスは決して録音の少ない作曲家ではないが、シャマユのように「完璧なテクニックを持ち」「作曲家の魅力と様式をきちんと理解している」ピアニストによる演奏は多くない。(後者は7つの独奏曲の収録順へのこだわりにも表れている。)音のヴェールをそっと被せるようなオーケストラの絡み方も絶妙で、サウンド面での新発見も多い。