COLUMN

徳田雄一郎 RALYZZDIG『WIND』 新たな境地を求め成長と変化に挑戦し続けるRALYZZ DIGの第5弾

徳田雄一郎 RALYZZDIG『WIND』 新たな境地を求め成長と変化に挑戦し続けるRALYZZ DIGの第5弾

新たな境地を求め成長と変化に挑戦し続けるRALYZZ DIGの第5弾

 〈RALYZZ DIG〉…レリーズ・ディグと読む。彼らを、1曲中でもソリストごとに印象がガラリと変わることから、滲みや混色のない墨流しかラテアート模様の超ジャンル的先端グループと眺めてきた。そんなめまぐるしい独自の文様の変化に主張が垣間見え、またある種の郷愁と焦燥の奔流にも感心を寄せていった。ただそれは5年前の、長らく最新作に留まってきた『クロッシング・カラーズ』までのことだと知らされる。

 バンド名は「光熱+抒情+ジャズ」からくる造語、そして「その探求」。彼は作曲と合わせ、その独特な吹奏音を編み出すのに膨大な鍛錬を重ねていた。人一倍深く咥え込むアムブシュアは、ともすれば音程が一定せず完成までに多くの労苦を強いられた。そんな数々の修行がここ数年、とみに大きく花開いている。これまで日本人が適えられなかった海外の大型ジャズ・フェスを制覇し、そのどれもが大盛況の様相だ。そして昨夏、最大級のノースシー・ジャズ祭へ出演したのに続いて、久しぶりに〈RALYZZ DIG〉の新譜『WIND』が届いたのだった。

徳田雄一郎 RALYZZDIG WIND GoodNessPlus Records(2018)

 メンバーが5年前と大幅に変わり、発せられるサウンドも以前のものと違っていた。そのはず、彼自身が意識を一変させられるほど、世界の大舞台を踏んできたのだから。本作はそんな経験から得たものを音に注ぎ込んだのと、ついに音の滲みや混色へ乗り出したのかとも見えた。従来の跳躍的なドライヴ感に加え、異国での風景観測や、心を締め付けられるエスニシズム、フラメンコに使用される手拍子、自らの甘いヴォーカルまで披露する。

 昨夏、コニカミノルタ・プラネタリウムの上映イヴェント「Space Dreamers 宇宙兄弟」の主題曲・挿入曲の制作を任され、演奏もした。この2曲を核に、訪れた9種の異国の“風”で飾りあげたのだ。新たな境地を求め、自然体ながら強盛な気概を保ち、常に成長と変化に挑戦してきたバンドとしての矜持が見える。

 


LIVE INFORMATION

徳田雄一郎RALYZZDIG New Album "WIND"新譜発売記念ライブ
○12/16(日)
会場:千葉市美浜文化ホール
www.yuichirotokuda.com/