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ディスコグラフィーを通して振り返るReiの歩み

 ReiのCDデビュー作は、2014年にライヴハウス限定でリリースし、翌2015年2月に全国流通化されたファースト・ミニ・アルバム『BLU』。ペトロールズの長岡亮介がプロデュースした本作のタイトルはReiのルーツである〈ブルース〉からきているもので、「ブルースは自分の身体の一部なんだ」と改めて感じたことから付けられた。ライヴの定番曲にして、もっとも盛り上がる“BLACK BANANA”や、長岡とReiのギター・バトルが火を噴く“my mama”も注目のナンバーと言えるだろう。

 そして、同年11月に発表された2枚目のミニ・アルバム『UNO』は、「自分の力量を試したい」「ミニマルな状態で、たったひとつの音楽を表現したい」という気持ちからセルフ・プロデュースの宅録作に。ベックやチューン・ヤーズらに通じる発想と手法を限られた楽器編成に採り入れながら、弾む感覚をのびのびと表現。これまたライヴの定番曲となった“JUMP”もウェーブドラムを使って自身で打ち込んでいる。ほか、トム・トム・クラブから影響を受けて作ったというトロピカルなタッチの“Love Sick”などを収録。

 〈ひとりであること〉を肯定的に捉えた『UNO』に対し、2016年のサード・ミニ・アルバム『ORB』では複数のゲスト・ミュージシャンを迎え、生楽器を多用して制作。「より人間的で、感情的で、豊かなサウンド」にこだわったそうで、踊り出したくなるような楽しい楽曲群に、Reiの開かれた気持ちがそのまま反映されている。在日ファンクのホーン奏者たちが参加した“Route246”はブライアン・セッツァーに感化されたという華やかなロカビリー・ナンバーで、やはりライヴの定番だ。

 そうしたミニ・アルバムの3部作に続き、2017年と2018年にはシングルの2部作を発表。ジプシー・ジャズ風の“Tumblin’”など4曲を収めた『CRY』には彼女の手によるイラストも掲載したZineを付け、視覚的な面からも音楽にアプローチ。『CRY』の続編と言える『FLY』には粗削りなブルースとモダンな感覚が合わさったライヴ映えする“New Days”などを収めたうえ、Reiにとって思い入れの強い3都市における映像を収めた「How to Fly」というDVDも付属。イラスト、切り絵、写真、映像——それらもReiの音楽に直結している表現なのだ。 

 

Reiの作品を紹介。