ゴーゴン・シティらのダンス曲を足がかりにした歌い手としての飛躍はUKらしいものだが、一方でビヨンセやマドンナ、BTSらの楽曲をコライトし、制作したザラ・ラーソン“Never Forget You”が世界的にヒットするなど裏方としての実績も破格。そんなロンドンの俊英が仕上げた初のアルバムは、ガラージやフューチャー・ベースも織り交ぜてキャリアの華々しさと幅を裏付けるコンテンポラリーなポップ作品となった。“Colour”に迎えたヘイリー・スタインフェルド以外は客演なしで主役が歌いまくる。“Ai No Corrida”をキャッチーに練り込んだ“Girlfriend”や恍惚ハウスの“Crazy World”での小気味良い節回しがクレイグ・デヴィッドまんまなのも微笑ましい(数曲でトレ・ジャン・マリーも援護)。良いです。