グラスゴーを拠点に活動し、デビュー時はリカルド・ヴィラロボスからのフックアップもあって大いに注目された奇異な才人のサード・アルバム。これまではハントレイズ&パルマーズからのリリースでしたが、今作はジャイルズ・ピーターソン主宰のブラウンズウッドから。デビューからずっと彼を追っかけてきたジャイルズだけに、今回は念願の一枚というところでしょう。アフリカや南アメリカの儀式的な音楽要素を下地に、ベース・ミュージックの低音とハウスの昂揚感が巧みにブレンドされた独特なセンスはここにきてさらにブラッシュアップ。インドのゴア出身ということも関係しているのか、人をトランスさせる術をよくわかっているなと思います。街の人が土着感を奏でているというか、これぞ〈都市の民族音楽〉!