3年ぶりとなる3枚目のアルバムは、ロンドンで制作されたEP『dying for』を経て、過去最高にヴァラエティーに富んだ曲調の傑作となった。美しいハーモニーでフォーキーかつ雄大な景色を描き出す“JUMP”と、ニューウェイヴィーな“JM”を両極に、全編に渡って生演奏とエレクトロニクスが有機的に溶け合い、独自の音響空間を形成。なかでも、スナップをフィーチャーしたピアノ・バラード“HEX”と、ヴォーカル・エフェクトを効果的に用いた“SPEAK SILENCE”は、チャンス・ザ・ラッパーなどを手掛けるL10ミックスエディットの立体的なミックスにより、現行のヒップホップ/R&Bとのリンクも提示している。ボン・イヴェール『22, A Million』以降の世界に対する、日本からの数少ない真摯な返答。