2014年にオリジナル・メンバーで再結成したものの、ボーイ・ジョージの喉にポリープが見つかったため制作を中断していた噂のアルバム。カルチャー・クラブの名を冠した作品は19年ぶりだが、精力的にライヴを行っていたこともあって結束力は抜群。むしろ一体化したグルーヴという意味では全盛期以上で、軽やかなレゲエ・ポップからスタックス風のソウル、アーバンなファンクまでを難なく披露している。ハイトーンから低音へと変化したボーイ・ジョージの歌声も、大人の艶気が増していて実にソウルフル。いままで考えたこともなかったが、ボズ・スキャッグスに通じるダンディズムさえ漂っている。80年代の彼らとは異なる、現在進行形の姿を力強く提示しているのが頼もしい。理想的な復帰作だろう。