8年ぶりの新作にファーギーは不在……ってことで、2作目『Bridging The Gap』(2000年)以来18年ぶりのトリオ作品。そもそも持ち前の貪欲さでエレクトロ路線へ至り、EDM躍進を助けてUSアーバン界隈の様相を変えたのはまさに彼ら自身だったわけだが、ここにきてブーンバップを主軸に選んだのはもちろんコンシャス路線への回帰を意味している。どうせなら“Yesterday”(2015年)もこの並びで聴きたかったけど、そうでなくても往年の音楽への愛と敬意は随所から滲んでくるはずだ。“Back 2 HipHop”を象徴するナズから、アリとファイフとポス、スリック・リック、さらにCLやニコール、18年ぶりに組むエステロまで多彩な顔ぶれを迎えつつ全編は実にタイト。ラストを飾る“Big Love”の意図と効果は説明不要!