バッドフィンガーの『Wish You Were Here:Expanded Edition』と並べて聴きたい作品たち

PAUL McCARTNEY Egypt Station Capitol/ユニバーサル(2018)

バッドフィンガーの前身バンドに惚れ込んだポールが、そのまま彼らをアップルへ引き入れたのは有名な話。ポールの作詞/作曲/プロデュースによる“Come And Get It”がグループの存在を一躍メジャーにしたことを考えると、まさに大恩人だいな。バンドが存続していたら一緒に来日していたかもなあ。 *穴守

 

THE WOMBATS Beautiful People Will Ruin Your Life The Wombats/ソニー(2018)

リヴァプールの中堅選手だいな。ポールが設立した音楽学校の卒業生によるバンドだから、バッドフィンガーがビートルズの弟分だとすると、彼らは孫弟子ってところだんべ。本作にもピート・ハムがシンセを導入して作ったような曲があるし、ビートルズからの流れを感じらいな。 *穴守

 

THE MAGIC GANG The Magic Gang YALA!/ワーナー(2018)

ウィーザーやビーチ・ボーイズをよく引き合いに出されているブライトンの新人バンド。でも、実際に聴いてみたらハナ的にはバッドフィンガーに近いと思っちゃったんだよね。バッドフィンガーがどんなに悲しい末路を辿ったからといって、〈元祖パワー・ポップ〉だって事実は変えられない! *三崎

 

サディスティック・ミカ・バンド 黒船 東芝EMI/ユニバーサル(1974)

クリス・トーマスは本作と『Wish You Were Here』を同時進行でプロデュースしていたんすけど、その縁でロンドンに行ったミカはバッドフィンガーの面々と意気投合して毎日のように遊んでいたとか。クリスとミカが不倫関係に陥ったことでミカ・バンド解散という苦いオチもつきやすが……。 *野比

 

JOEY MOLLAND Return To Memphis Joekat(Joekat)

83年にトム・エヴァンスも自殺し、2005年にはマイク・ギビンズも他界。創設メンバーは“Love Time”の作者であるジョーイ・モーランドだけになっちまったんですが、そんな彼の目下の最新ソロ作はルーツ回帰のブルージーな内容で、幾多の悲哀を通過してきた男ならではの燻し銀な一枚ですぜ。 *野比