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TEEBS Collections 01 Brainfeeder(2011)

アイデアの断片を集めたスケッチ集のような作品……と本人は言うものの、完成度の高さはその範疇に収まるものでもなく、作り込まれていないからこその優雅なサウンドが素晴らしい。そして、3年後の『E s t a r a』へと結実していく。 *藤堂

 

RYAT Totem Brainfeeder(2012)

ビョークの歌声を持つエレクトロニックなマルチ奏者……という触れ込みで注目された彼女のブレインフィーダーでの唯一の作品。ダウンテンポから静謐なバラードまで、現在だとメインストリームにも存在していそうな音楽性に聴こえるのがおもしろい。 *出嶌

 

LAPALUX When You're Gone Brainfeeder(2012)

ジェイムズ・ブレイクやマウント・キンビーの歌モノが大きく持て囃されていた時期にフライローが契約したUKの新鋭ビートメイカー。この移籍後発のEPでは、この時代らしい繊細なポスト・ダブステップ・ソウルをうっとり響かせてくれる。 *香椎

 

JEREMIAH JAE Raw Money Raps Brainfeeder(2012)

シカゴ出身のラッパー兼ビートメイカーで、サムアイアムを経由してブレインフィーダー入りしたジェレマイア・ジェイ。この初作は90年代コンシャス・ラップへの憧れを奇妙なビートと共に展開するラフ・ドラフトな感触の一枚。ハイエログリフィクスらに通じるまろやかな語り口もいい。 *香椎

 

THE GASLAMP KILLER Breakthrough Brainfeeder(2012)

レジデントとして活躍した〈Low End Theory〉立役者の一人であり、『Los Angeles』に参加したりゴンジャスフィを共同プロデュースするなど、フライローには欠かせないブレーンでもあった。今作はエイドリアン・ヤングからシゲトまでを迎えた毒々しい辺境サイケ絵巻。 *香椎

 

リリース当時はレーベル内で唯一のイギリス人で、メールのやり取りだけで契約に至ったというから、フライローもその才能に間違いないものを感じたのだろう。タイトルの通り、〈ノスタルジア〉をテーマに作り込まれたビート作品。 *藤堂

 

THUNDERCAT Apocalypse Brainfeeder(2013)

コズミックなソウル観が確立された2作目。彼の歌が大幅にフィーチャーされた点がトピック。マーズ・ヴォルタのトーマス・プリジェンやエイドリアン・ヤングの起用も作品の価値を上げた。フライング・ロータスのプロデュース力の鋭さを証明する一枚。*池田

 

RAS G,THE AFRIKAN SPACE PROGRAM Back On The Planet Brainfeeder(2013)

職人的なトラックメイカーとして日本でも人気だったラスGの、ブレインフィーダーでは2009年の『Brotha From Anotha Planet』(配信のみ)に続くスピリチュアルな2枚目。現在では繋がりも見えづらいかもしれないが、フライローたちが向かうかもしれなかった可能性として聴けるかも。 *出嶌

 

TEEBS E s t a r a Brainfeeder/BEAT(2014)

『Collections 01』での試みが功を奏し、このセカンド・フル・アルバムでは極力無駄を削ぎ落としたミニマムなサウンドを展開。ジョンティやプレフューズ73ら盟友を招いて、美しいメロディー、軽やかに跳ねるビートに磨きをかけた一大ダウンビート絵巻。*藤堂