JAMESZOO Fool Brainfeeder/BEAT(2016)

プロデューサーのミシェル・ファン・ディンサーによるアヴァン・ジャズ・プロジェクトの初作。シンセサイザーを駆使したサウンドでアルトゥール・ヴェロカイらが参加。演奏にはサンダーキャットやリチャード・スペイヴンも要所で尽力している。    *香椎

 

THUNDERCAT Drunk Brainfeeder/BEAT(2017)

ファレルやケンドリックといった人気者のほかにケニー・ロギンスやマイケル・マクドナルドも参加とあって耳当たりはすこぶるいいが、聴き込むほどに変態性や狂気がひょっこりと顔を出す。AORともフュージョンともフューチャー・ソウルとも形容しがたい漆黒の黙示録。 *藤堂

 

LAPALUX Ruinism Brainfeeder/BEAT(2017)

耽美的で陶酔感溢れるサウンドはいわゆる〈LAビート〉の文脈よりもインターネット世代のポストR&Bのようなシーンに近い印象。こうした作品を傘下に置いておけるというのも、10年を経てレーベルの幅が拡がったと見るべきだろう。 *藤堂

 

IGLOOGHOST Neo Wax Bloom Brainfeeder(2017)

この時点で20歳とブレインフィーダーでもっとも若いトラックメイカーの初作。ポスト・インターネット的な世代だけにビートの世界は衒いなくポップに弾けまくりで、かわいい系のジャケからも伝わるCGの童話のようなサウンドが楽しい。“Infinite Mint”には日本のCuusheも参加。 *香椎

 

THUNDERCAT Drank Brainfeeder/BEAT(2018)

大ヒット作『Drunk』を丸ごとスロウダウンしてドロドロに変容させたチョップド&スクリュード版。オリジナルに含まれていたファンクな色気と毒気が増幅され、サンダーキャットの裏の顔を見ているかのよう。OG・ロン・Cの遊び心に拍手。 *池田

 

ROSS FROM FRIENDS Family Portrait Brainfeeder/BEAT(2018)

父親がイヴェント・オーガナイザーを務めていたという、まさに〈レイヴ生まれハイエナジー育ち〉を地で行く才能がレーベルの節目の年に合流。西海岸ブラックネスの代表格であった集団にUK新世代の新たな風が吹き込まれ、次の時代の扉を開く可能性を大いに感じさせてくれる。 *藤堂

 

DORIAN CONCEPT The Nature Of Imitation Brainfeeder/BEAT(2018)

フライローのライヴ・メンバーでもあり、サンダーキャットの作品にも参加するなど縁のあったミュージシャン/プロデューサーが、ニンジャ生活を経てブレインフィーダーから放った移籍作。ビート構築のセンスにライヴ・ミュージシャンの感覚を持ち込み、自身の歌唱も交えて熱を伝える。 *香椎

 

LOUIS COLE Time Brainfeeder(2018)

ソロ作やノウワーで多様なセンスと引き出しの多さをひけらかしてきた才人が、サンダーキャットの作品参加でも縁のあったブレインフィーダー入り。ジェイミー・リデルの転身を連想させるような、マイルドな歌を聴かせるユニークなソウル・ポップ・アルバムの佳盤に仕上がっている。 *香椎

 

BRANDON COLEMAN Resistance Brainfeeder/BEAT(2018)

近年の西海岸ジャズの隆盛を支えてきた鍵盤奏者も晴れてレーベルの仲間入り。本人のヴォコーダー歌唱が全編に渡り、裏方に徹していた感のある前作と比べて、アーティスト性も格段にアップ。ブギー~ブラコン~フュージョン路線の楽曲も2018年的で、出世作となりうる作品。 *藤堂

 

GEORGIA ANNE MULDROW Overload Brainfeeder/BEAT(2018)

以前フライローをトラックメイカーとして起用したこともある彼女は、ビートメイクも歌も最高な西海岸のマルチプルな才能。この移籍作にブレインフィーダーの色はないが、彼女のやってきたことが多面的な活動こそがそもそもブレインフィーダー的でもあったことを伝えるかのよう。 *香椎