活動20周年という節目を飾った『NEXT TEARDROP』から半年での新作は、根っこにある昭和歌謡を取り上げたカヴァー・アルバム。近年の傑作群の立役者たる久保田麻琴が引き続きプロデュースを担い、簡素な演奏で奥行きのある歌世界を創造している。鈴木茂のソロも絶妙な“ヨコハマ・ホンキー・トンク・ブルース”などが芳しい酒場の匂いを運ぶなか、美空ひばりの反戦歌“一本の鉛筆”で結ぶ構成が穏やかでいて強い。絶品。