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伊藤ゴローと村治佳織がヤマハホールで共演――チェンバー・ミュージックとしてのボサノヴァの魅力を二人の調べで

伊藤ゴローと村治佳織がヤマハホールで共演――チェンバー・ミュージックとしてのボサノヴァの魅力を二人の調べで

チェンバー・ミュージックとしてのボサノヴァの魅力を二人の調べで

 伊藤ゴローと村治佳織。ジャンルは違えど、世界が認め、日本が誇る実力派ギタリストである。その二人が同じステージに立つという、とても贅沢なコンサートが開催される。〈BOSSA NOVA Special Night〉と題されたこの一夜は、ボサノヴァをメインにそれぞれのギタリストの特性を活かした演奏が繰り広げられるという。ボサノヴァ好き、ギター好きにとってはたまらない企画といえるだろう。

 企画者である伊藤ゴローは、言うまでもなく日本のボサノヴァ・ギターの第一人者である。naomi & goroを始めとする様々なプロジェクトや、原田知世などのプロデュースによって確固たる地位を築き、坂本龍一など国内外のビッグ・アーティストから指名されることも多い。近年はボサノヴァに限らず、アコースティック・ギターを中心としたジャンルレスな音楽を多数生み出している。

 一方の村治佳織は、言わずとしれたクラシック・ギターのトップ・アーティストのひとりだ。15歳でCDデビューし、天才少女と話題を呼んだが、その騒ぎに溺れることなくメキメキと実力をつけていった。海外での評価も高く、数々の賞にも輝いている。また、映画音楽からラジオのナビゲーターまで、クラシックにとどまらない活躍ぶりも彼女の多彩さを物語っている。

 一見、あまり接点がなさそうな二人ではあるが、2017年に伊藤ゴローアンサンブル名義で発表されたアルバム『アーキテクト・ジョビン』で共演を果たしている。この作品は非常にユニークなものだ。ボサノヴァの代名詞であるアントニオ・カルロス・ジョビンの楽曲集であるが、ギター、ピアノ、ストリングスといった楽器を配し、室内楽のアンサンブルで名曲を演奏するというもの。ジョビンのクラシカルな一面を浮き彫りにし、あえてラテン的なリズムや情感を抑えることで美しさを抽出した稀有な作品だった。

 おそらく〈BOSSA NOVA Special Night〉におけるレパートリーには、本作における伊藤と村治の共演曲も加わることだろう。実際、サポートには弦楽カルテットが予定されており、チェンバー・ミュージックとしてのボサノヴァが披露されるに違いない。二人のギターの音色が、ボサノヴァという音楽を通してどのように絡み合っていくのかが最大の聴きどころであることは間違いない。研ぎ澄まされた2本のギターの調べを、ぜひ間近で堪能していただきたい。

 


LIVE INFORMATION

GORO ITO meets KAORI MURAJI ~BOSSA NOVA Special Night~
○2月28日(木)開場18:30/開演19:00
会場:ヤマハホール(東京・銀座)
出演:伊藤ゴロー(ギター)、村治佳織(ギター)、ロビン・デュプィ(チェロ)、伊藤彩(バイオリン)、ほか

www.yamahaginza.com/hall/

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