ふんだんなストリングス使いと女王スタイルの分厚いハーモニーに彩られた華やかなウィンター・ソング“Winter Beat”の破壊力たるや! そんなふうに自身の王道を更新したナンバーを随所に配しつつ、〈ピアノマン〉というこれまでのイメージから離れた楽曲も多く収められた今回のアルバム。鍵盤が皆無に等しいルーディーなガレージ・ロックからプログラミングを敷いたEDMマナーの煌びやかなダンス・ポップまで、その解き放たれぶりに面喰らうほどだが、流麗なソング・ライティングと自在なファルセット・ヴォイス/重層コーラスがどの曲も一聴瞭然のビッケブランカ色に染め上げている。〈セピア色の感傷〉と〈めくるめく多幸感〉が同時に押し寄せるマジカルな一枚。胸の高鳴りがもう尋常じゃない!