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【チアキの! 夢と魔法の映画感想文】第8話 一年の締めくくりに相応しい温かな贈り物「プーと大人になった僕」

―今年の怪我、今年のうちに―

 

ディズニーをこよなく愛するシンガー・ソングライター、チアキ。最近はいろんな音楽に触れているようで、素敵な歌い出しに出会うたび〈くぅ~~っ!〉と興奮する〈歌い出し選手権〉という一人遊びばかりしているんだそうな。

そんなシンガー・ソングライター界の孤高の遊び人・チアキが、ディズニー作品の観どころを紹介する本連載。8回目の今回は、本日12月19日(水)にMovieNEXがリリースされる「プーと大人になった僕」です! それじゃあアリエル、みんなが〈くぅ~~っ!〉と興奮するような素敵な語り出しの感想文をよろしくね! *Mikiki編集部

【チアキの! 夢と魔法の映画感想文】記事一覧

視線の先の沢山の子どもに微笑むチアキ
 

ッグンッッ!と寒くなって参りました今日この頃。今年もあっと言う間に、残り2週間を切りまして、街はすっかり師走の雰囲気です。

皆さんの2018年は、どんな一年だったでしょう。最高の一年を過ごせた人、まずまずな人、年末だというのに最悪の気分の人。それぞれありますでしょうが、今年も無事、師走まで生き抜いた自分を労わり、みんな自分に花マルでもあげるべき。そんなふうに思うチアキでございます。

さて、本日オススメしたい作品は、一年の締めくくりに相応しい温かな贈り物です。

複雑で、難しくて、うまくいかない日々に必要なのは、いつだって本当の友達なのかもしれません。

マーク・フォースター プーと大人になった僕 MovieNEX ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(2018)

物語は、あのプーさんや仲間たちと100エーカーの森で少年時代を過ごした〈クリストファー・ロビンの30年後〉を描いた作品。

おとぎ話の要素が盛り沢山のテイストで話が進んでいくかと思いきや……寄宿学校に行くため100エーカーの森を離れ、プーたちと別れたクリストファー・ロビンは、学校にうまく馴染めず孤独な日々を送り、間も無くして父を亡くしてしまいます。

そして青年になると、やがて戦争に駆り出され、激動の時代を生き抜き、愛する人との間に子供を授かります。父になったクリストファーを取り巻いているいまの世界は、まさに現代社会のパワハラやリストラなどの問題が飛び交う、意外にも生々しい現実でした。

あの、幼き頃にわれわれを楽しませてくれた賢く優しいクリストファー・ロビンが、仕事に悩み、余裕を無くし、最愛の家族を顧みない日々の中にいるなど、誰が想像できたでしょうか……。

毎日の喧騒に追われ、〈絶対に忘れないよ〉とプーに誓った100エーカーの森での大切な思い出さえ、クリストファーはいまにも忘れてしまいそうでした。

そんな彼の無意識のSOSがプーを呼んだのか、はたまた目に見えない友情の力が働いたのか、クリストファーとプーは、示し合わせたかのようにロンドンの街中で30年ぶりに再会します。

くまのプーさんには似ても似つかない、ロンドンの街の喧騒。この、生々しい現実の中にプーがひょっこり現れたときの、〈僕らのヒーローがやってきた!〉感は凄まじく、まるでおとぎの世界からヒーローが飛び出してきたようで妙に感動しました。この、おとぎ話と現実世界の融合は、私のいちばん大好きなディズニー映画「魔法にかけられて」を思い起こします。

誰にでもとは言いませんが、きっと心のヒーローや心のなかの本当の友達に助けられている人は沢山いて、それは本の登場人物かもしれないし、アイドルかもしれないし、アーティストかもしれないし、ミッキーマウスかもしれないし。そんな存在が、クリストファーにとってはプーでした。

そういう、ギリギリのところで自分を自分として踏み留まらせてくれる〈ヒーロー〉や〈友達〉が、アニメーションやイマジネーションの世界を飛び出し、大人になって少し疲れてしまったクリストファーや私たちにギフトを持って会いに来てくれたのだと思いました。

もう、魔法です完全に。

私はディズニーの、目に見えないものを信じる勇気と力を、作品をもって肯定し続けてくれるこういうところが、たまらなく好きです。

そして、実写化されても変わらない、いやむしろ増しているプーさんの愛らしい一挙手一投足。怖がりで不安が尽きないピグレット。やんちゃなティガー。ネガティヴすぎるイーヨー。あの頃と変わらぬ仲間たちが、大好きなクリストファーを救うため、協力してロンドンの街へ大冒険に繰り出すのです。

〈カワイイ……〉と漏らさずにはいられないくらいどうしようもなく癒されて、勇気をもらえて、大切なものは恥ずかしいくらいにシンプルなことだと改めて気付くこの作品。

持つべきものは友と愛だなあ。
家にもプーさんこないかなあ。
平和の基準、一家に1プーさん。

見終わってからはとにかく、正直「くまのプーさん」が実写化されると知ったときに〈実写化!? 無理でしょ、やめてよ~!〉と嘆いた自分を4の字固めしたくて仕方ないです。

この一年、頑張った貴方へのご褒美に、チアキが心の底からオススメしたい1本です。
 


PROFILE:チアキ
93年1月14日生まれ。2010年から2017年までは本名の佐藤千明でガールズ・ロックバンド、赤い公園のヴォーカリストとして活動。2018年からは名前をチアキと改め、Hilcrhyme・TOCのソロ・アルバム『SHOWCASE』への楽曲参加や、初のワンマン・ライヴを成功させるなど、ソロ活動を本格化させている。趣味は映画観賞・旅行・食べることで、大のディズニー好きとしても知られている。夢はディズニー・プリンセスになること。

Live Information
まるかど企画第5回公演 『おクチが裂けても言えないの』
2019年5月29日(水)~6月2日(日)東京都新宿村LIVE 全8ステージ
※演劇ユニット、まるかど企画の舞台に出演

 

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