国府達矢 ロックブッダ felicity(2018)

東洋的な旋律と変拍子が連なる異形のビート、民謡風のこぶしを交えた歌い口と、磨き抜かれたサウンド・プロダクション——鬼才が挫折を経て完成させた15年ぶりの復活作、そこで鳴るのは驚異的にオリジナルな音楽だった。 *土田

 

般若 話半分 昭和レコード(2018)

結果的に作品ラッシュとなる2018年の起点となった一枚。率直な人間味の出てきたマイク捌きを軸に、真摯な作風はいよいよ研ぎ澄まされている。そんな緊迫感が終曲“ぶどうかんのうた”へ向かって解けていく構成も見事。 *出嶌

 

MIGOS Culture II Quality Control/Motown/Capitol(2018)

前作ほどの衝撃はないとしても日本で真に不可避な存在となったのは本作からか。もはや安心感すら覚える聴き心地で、ダラダラした長尺の展開も時代を象徴する1枚……というか2枚組。個々の活躍も引っ括めて刺激的だった! *出嶌

 

ROMAIN VIRGO Lovesick VP(2018)

レゲトンやヨット・ロック風を交えて欧米の流行にも沿いつつ、タメの効いた切なげなハイトーンで6年ぶりのアルバムを束ね、〈これがジャマイカを代表する声だ〉と宣言。ゲストなしの作りからも絶対的な自信を感じました。 *山西

 

SUPERORGANISM Superorganism Domino/HOSTESS(2018)

〈Sound Of 2018〉に選ばれ、順当にブレイクした多国籍集団。この初作を皮切りにゴリラズのリミックスなども手掛けるようになり、2019年には単独の来日ツアーや准メンバーのソロ・デビューも控え、快進撃はまだまだ続く! *山西

 

CARDI B Invasion Of Privacy Atlantic(2018)

“Bodak Yellow”で2017年のブライテスト・ホープと目された彼女は、ブルーノ・マーズとのニュー・ジャック合体を手始めにして2018年のMVPに。ラテン・トラップの“I Like It”まで時代を引き寄せる人ならではの初作。 *出嶌

 

CHARLIE PUTH Voicenotes Atlantic/ワーナー(2018)

ワム!使いやボーイズIIメン客演曲など、80s~90sのベタな部分を吸収して流行と一定の距離を置き、ジンクスに打ち勝った2作目。裏方としても印象的な仕事を残し、あの人の二番煎じではなく独自のポジションを確立しました。 *山西

 

EVISBEATS ムスヒ AMIDA STUDIO(2018)

リラクシン~チルアウト系のヒップホップ作品が大きな支持を獲得した2018年、その源流のひとつとも言える彼は6年ぶりのアルバムで意図せずして別格の回答を提示してみせた。この後に出た『HOLIDAY』(→P26)も必聴。 *出嶌

 

春ねむり 春と修羅 パーフェクトミュージック(2018)

殺気だった才能が〈ポエトリー・ラップ〉的な形容を抜けていよいよ開花したフル・アルバム。ささくれたバンド・サウンドの刺激は言わずもがな、コラボやリミックス展開、ソングライターとしての活躍も目覚ましかった。 *出嶌

 

JANELLE MONAE Dirty Computer Wondaland/Bad Boy/Atlantic/ワーナー(2018)

クィアであることを公表し、SF志向を捨てて生身の人間へ。ブライアン・ウィルソンやグライムスと作ったカラフルな曲に合わせて自由に性を謳歌していく姿は、多様性の受容が求められる現代に神々しく映りました。 *山西