Page 4 / 5 1ページ目から読む

小袋成彬 分離派の夏 エピック(2018)

若き敏腕プロデューサーが、宇多田ヒカルのプロデュースでソロ・デビュー。静謐なサウンドに繊細で情感豊かなファルセットを泳がせた14曲には、フランク・オーシャンを歌謡曲へ昇華したような挑戦的で普遍的な感触が。 *澤田

 

TOM MISCH Geography Beyond The Groove/BEAT(2018)

レックス・オレンジ・カウンティをはじめ、次々と俊才を輩出している南ロンドン。グライムやジャズ・シーンとも密に絡む同地のインディー勢の象徴として、2017年のキング・クルールからバトンを受け取ったのはこの男です。 *山西

 

TONI BRAXTON Sex And Cigarettes Def Jam(2018)

90年代アーバンの風情が現代的なマナーとして自然に定着していくなか、そのオリジネイターが久々に決定的なアルバムを作り上げたのは抜群のタイミングだったかも。そうじゃなくても“Long As I Live”など曲が粒揃いすぎて。 *出嶌

 

牛尾憲輔 girls,dance,staircase ランティス(2018)

劇場版アニメ「リズと青い鳥」のサントラは、その舞台である実在の高校でのフィールド・レコーディングを素材にした〈物音オーケストラ〉集。少女たちの繊細な心の動きとシンクロする、儚く美しい音響作品に。 *土田

 

ANNE-MARIE Speak Your Mind Major Tom's/Asylum/ソニー(2018)

ダンス系の客演を機にブレイクするという成功の法則を体現した2018年の新ヒロイン。マシュメロらと組んだこの初作から、デヴィッド・ゲッタやクリーン・バンディット作品への参加まで、世間の期待にきっちり応えてくれました。 *山西

 

cero POLY LIFE MULTI SOUL KAKUBARHYTHM(2018)

さらなるグルーヴ探求の旅を経て、ポリリズムや変拍子も呑み込む破格のサウンドに到達した4作目。アクロバティックな音の応酬が練られたアンサンブルによってスムースに鳴らされる凄みたるや。 *澤田

 

CNCO CNCO Sony Latin(2018)

この5人が日本デビューを飾ったことは、昨今のラテン・アーバン熱風の嬉しい産物。リトル・ミックスやメーガン・トレーナーとのリミックスもヒットし、ラテンものに馴染みのない人にまでその魅力を届けた功績はデカイです。 *山西

 

KALI UCHIS Isolation Rinse/Virgin(2018)

過去の客演仕事のツテを活用し、さらにサンダーキャットやテイム・インパラの力も借りて南米由来の官能的な歌声をメロウなサイケ色に染め、どこから入っても楽しめる音世界を展開。そりゃ〈フジロック〉も大盛況ですよ。 *山西

 

POST MALONE Beerbongs & Bentleys Republic/ユニバーサル(2018)

炎上商法的な言動はさておき、先行曲の特大ヒットに煽られて、時にアコギを手にメロディアスなラップで新たなロックスター像を打ち出した異端児。型破りなのは数字だけじゃないってことを苗場の舞台でも見せつけました。 *山西

 

STRUGGLE FOR PRIDE WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE. WDsounds/AW/LR2(2018)

小西康陽からFEBBまでを迎えて多彩を極めた音を並べながらも、バンド・アンサンブルはハードコアを貫くその姿勢。彼らだけの美しい所作で2018年の感情を掬い上げた12年ぶりの帰還作。 *澤田