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リイシューは甘い真冬の舌先で踊る

 海外作品のリリース量が減る年末年始ではありますが、1年間を振り返ってチェックし損ねていたあれこれを堪能するのには打ってつけの期間かもしれませんね。ってことで、ここ最近の紹介し損ねていたブツも含めてご案内しましょう。

C.J. & CO. Ain't It Amazing(The Unreleased Westbound Masters) Westbound/Solid()

 まずは、上掲の『Westbound Disco』にも“Devil's Gun(Tom Moulton Mix)”が収録されている、CJ &カンパニーの未発表音源集『Ain't It Amazing(The Unreleased Westbound Masters)』(Westbound/Solid)を大推薦! 彼らは短命ながらもデトロイトを拠点に活動した男女混声グループで、サウンド面はデニス・コフィとマイク・セオドアのコンビが統率、前述の勇ましい“Devil's Gun”やヘヴィーDのネタ使いで知られる“We Got Our Own Thing”などで77年当時のディスコ・チャートを席巻した5人組です。今回は“Devil's Gun”のオリジナル・ミックスも含む12曲の未発表音源が収録されており、いわゆるディスコ狙いの典型に終わらず、人気の“Free To Be Me”にも通じるブライトな青春ソウル・ナンバーも披露。そもそも彼らはオリジナル・アルバム2枚が未CD化のままなので、この先はそれらの復刻にも期待したいところですね。

ULTRAFUNK Ultrafunk/Meat Heat Robinsongs/Solid(2018)

 お次はこれも70年代後半にディスコ時代を彩ったユニット、ウルトラファンクの75年作と77年作を2枚組で収めた『Ultrafunk/Meat Heat』(Robinsongs/Solid)です。こちらはロンドンのソウル/ファンク・レーベルであるコンテンポが送り出したスタジオ・プロジェクトで、当時のディスコらしいノヴェルティー・ソング的な“Kung Fu Man”をはじめ、スティーヴィー・ワンダー“Living For The City”やビル・ウィザーズ“Use Me”などのカヴァーをゴリゴリ骨太なインストで聴かせてくれます。音が流麗になった『Meat Heat』ではバットマンを下敷きにした“Gotham City Boogie”など軽薄なカッコ良さが全開になっていたり、絶賛する必要は皆無ですがなかなかの聴きモノ揃いですよ。

KEY & CLEARY Love Is The Way Now-Again Reserve(2018)

 最後はナウ・アゲインのモダン・ソウル・コンピ『Soul Cal: Disco & Modern Soul 1971-1982』に楽曲が収録されて好事家のドギモを抜いたNYのデュオ、キー&クリアリーの編集盤『Love Is The Way』(Now-Again Reserve)をオススメ! 70年代後半から80年代半ばまで彼らがひっそり推進してきたモダン・ソウル/ブギーの旅をイーゴンが丹念に監修した渾身の楽曲集となっていますので~! *出嶌孝次