LA録音の前作ではパワフルで抜けの良い音を志向していた彼らだが、この3年半ぶりのアルバムでは音数を減らし、BPMも遅めのパワー・ポップに寄せた一枚に。そこへ音響面でのトライアルとしてヘヴィーな低音を引き立てることで、バンドとしてネクスト・レヴェルの迫力と凄味を帯びた音の鳴りを獲得している。スライド・ギターがルーズに絡む“レインボーフラッグ”や、ダビーでサイケな領域に踏み込む“さようならソルジャー”など、一筋縄ではいかない工夫も随所に。一方、リヴァース・クオモと2曲を共作し、畳野彩加(Homecomings)とデュエットするといったコラボの趣もあり、初回盤に付属のEPではホリエアツシやグランド・ニコラス(フィーダー)らとの手合わせで、伸び伸びと音楽性を拡げてもいる。