休むことを知らない男、デーモン・アルバーンが2018年に送り出した2枚目の作品は、ポール・シムノン、トニー・アレン、サイモン・トングとのスーパー・グループによるセカンド・アルバムだ。ロンドンを舞台にした2007年の前作に対し、トニー・ヴィスコンティが手掛けた今作のテーマは、EU離脱に向けて岐路に立つ英国。幻影と現実の間で揺れ動く21世紀の祖国と向き合って歴史を振り返り、ここに行き着いた理由を探りながら〈ブリティッシュネスとは?〉と問い掛けるデーモンの歌に、名人揃いのバンドがシアトリカルさを強めた無二のアンサンブルで寄り添う。どこにも着地せずに浮遊するそんな11の曲は、行方が定まらない英国のカオスとも重なり、滑稽で悲しくて、どこまでも優しい仕上がりだ。