全米チャートNo.1をマークしたアラバマ・シェイクス『Sound & Color』のプロデューサーとして、ブレイク・ミルズの名を記憶している人も多いだろうか。以降もパフューム・ジーニアスやローラ・マーリングらの作品を手掛けて評価を高めてきたが、もともと彼はギタリスト。そのブレイクが4年ぶりに発表したソロ名義の本作は、アンビエント/ドローン・サイケなインスト集だ。「ギター・シンセを手に新たなチャレンジのなかで完成させた」との言葉通り、エリック・クラプトンを唸らせたボトルネック・ギターもここでは鳴っていない。幻想的かつ荘厳な音風景を作り出す試みが、今後の裏方仕事にも繋がっていきそう。弦の繊細な震えを際立たせる瞬間に、名プレイヤーならではのこだわりを感じた。