INTERVIEW

サキソフォビア『ノクターン』 結成20年、メンバーが認め合うことで生まれる熟成された心地よさ

右から、井上"JuJu"ヒロシ、岡淳、緑川英徳、竹内直 photo by Makoto Miyanogawa

 

結成20年、メンバーが認め合うことで生まれる熟成された心地よさ

 井上"JuJu"ヒロシ(b-sax,fl)。岡淳(t-sax,fl,篠笛)。竹内直(t-sax,b-cl)。緑川英徳(a-sax,s-sax)。そんな4人のサックス奏者たちによるグループが、サキソフォビアだ。メンバーは、潔くこの4人のみ。彼らは、今年で結成20周年を迎えた。

「サックスだけで、ジャズのアンサンブルをやりたい。それが、一番最初にあった思いですね。アメリカにはワールド・サキソフォン・カルテットがいたんですけど、あの人たちは力技。タイプが違うことをやりたいと思いました」(井上)

 「当時、僕は管楽器のハーモニーというのにあまり興味がなかった。管楽器は1本か2本でいいと思っていました。でも、リーダーの井上から話を聞かされた時に、急に“絵”が浮かんだんです。リズム・セクションがいない中で、それがどういうようになるのかという関心が俄然生まれました」(岡)

 そんな彼らの重なりを言葉に直すなら、阿吽の呼吸となるだろう。だが、その合い方は逐一ピタリというものではないという。

 「誤解を恐れずに言えば、合っていないんです。4人の価値観があって、タイムを優先する人、イントネーションを優先する人、エモーションを優先する人など、それぞれ微妙にズレている。けど、ズレ幅をお互い分かり合えている事が強みです」(竹内)

SAXOPHOBIA ノクターン SONG X JAZZ(2018)

 新作『ノクターン』は、オリジナル・アルバムとしては5枚目となる。

 「20周年ということで、新しいコンセプトで、今までにない新しいアルバムを作ろうと、井上が言い出したんです。それで、今回はオリジナルを中心にしようとなりました」(竹内)

 全12曲中7曲が、様々な趣向を持つメンバーのオリジナル。中には、宮沢賢治の《風の又三郎》の一節を基にした語り入りの曲もある。他に、セロニアス・モンク、デューク・エリントン、トム・ジョビン、さらには雅楽曲も選ばれた。

 「それを目指したところもあるんですが、ギスギスしていない、今までの中で一番楽に聴けるアルバムになったと思います。そして、メンバーの現在、向いている所が自然な形で出ています」(井上)

 「ずっとやってきた中で、個人のレヴェルが確実に上がっていると思いますね。今作を作って、これからもっと良くなるし、もっとこの先があると思いました」(緑川)

 そこには、〈リード楽器音の重なりの、山ほどの機微〉、〈構成員の意欲と美意識〉が綺麗な放物線を描きながら、渦巻いている。

 


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○2/10(日)六本木Satin Doll

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