父がリック・ラン&ダンのダニー・ウィリアムズ、姉がブラック・アイヴォリーのブランディという環境で14歳から楽曲制作し、2016年にセイリング・チームの集合カット“All In”やリル・ヨッティとの“Sad”で脚光を浴びたアトランタの期待株。同性の恋人をオープンにするなど自然体の姿勢は20歳になって放ったこの初作でも変わらない。デビュー前から後見するマティPが90年代的な時流も弁えた意匠で先行ヒット“High Speeds”など大半の曲を手掛け、ボビー・クリティカルやワンダガールも助力。重鎮ダラス・オースティンの参加も地縁(とランディ・ランの縁)の奥行きを感じさせる。“Love & Drugz II”でのトリッピー・レッドなど客演は最小限に留め、歌心と華のある語り口が前に出たソウルフルな快作だ。