兄が亡くなった年齢に届いたこの年に、〈J・ディラの弟〉ではなく自分自身になりたいと本名を表題に冠して放つソロ4作目。そんな並々ならぬ意志を込めた本作のメロウさとエモさは過去最高峰。前作でのウマー的ネオ・ソウル作法に加え、随所にソウル古典のエッセンスも引用され、ノスタルジックなヴァイブに満ちた一枚となった。何より、この温かい歌心は彼だけに備わったチャームだろう。