ドミコのディスコグラフィーを振り返りながら、さかしたひかるの愛聴盤(2018~19年冬)をチェック!
ポスト・パンク、サイケ、ガレージなどなどゴッタ煮になった全編をディストーショナルなサウンドが包む初の全国流通盤。「ピークがついてバリッと割れる嫌な音があるじゃないですか。逆にそれをうまく使おうかなっていうイカれた時期だったんです。振り返るとホント衝撃的な作品」。
第二次大戦中、軍隊への慰問で人気を得た実姉妹のコーラス・グループ。兵士の活力源にもなった陽気でスウィンギーなメロディーもさることながら、「兵隊さんもいっしょに盛り上がれる言葉回しとか音の響かせ方がうまいなあって」ところがさかしたのツボ。
27歳でこの世を去った伝説のソウル・シンガー。数少ない音源のなかでもさかしたが感銘を受けたというのが“The Love Of My Woman”なる軽快なノーザン・ソウル・ナンバー。ドミコのサウンドに時折見え隠れするヴィンテージ感はこんなところにも通じていたり。
70年代を代表するシンガー・ソングライターの名盤であり、時代を越えたポップス作品の金字塔。「何時間でも聴いていられますね。王道のメロディーなんだけど、〈ああ、キャロル・キングだなあ〉って思わせられる。〈シンガー・ソングライター〉っていう言葉がいちばんしっくりくる人」。
前作からわずか半年後にリリースされた2作目のミニ・アルバム。「バンド・サウンドに囚われないほうがいいかなあって、あえて打ち込みの曲もやってみたり。実験的というか、自分のなかではB面集的な感覚ですね。性質上、最近のライヴではやってない曲が多いですね」。
「“I'm Just A Kids”っていう曲を初めて聴いたとき、素晴らしい曲すぎてびっくりしました」ということでホール&オーツは完全に初期派のさかした。ドミコのサウンドにあるファンク成分は「ファンクっぽいことをやってるポップ・アーティスト経由」だそう。
そのタイトルが〈メロウでソウルフルなサウンド〉を指す言葉にもなった歴史的な一枚。「好きなトラックメイカーがサンプリングしてて、偶然元ネタを聴いてから好きになったアルバム」。このスウィートな質感が、ドミコのサウンドのどこか隅っこに息づいているのだろう。
90~91年に行われたワールド・ツアーをダイジェストで収録した、AC/DCの真髄ここにありの名実況盤。「ギターの音が信じられないぐらい暴力的なようでいてすごく綺麗なのがめっちゃくちゃイイ!」ということで、胸を熱くしながら圧巻のサウンドに身を委ねるさかしたの姿が目に浮かぶ。
ファンクやレゲエなど新たなリズム・アプローチにも挑んでみせた初のフル・アルバム。「このアルバムからレコーディング・スタジオで録るようになって。曲の感じも一気に変わったかな。ライヴもやるようになってきたのでバンド・サウンドを意識して作ったところはありますね」。
UKチャートで初のTOP10入りを果たした代表作。「90年代のロックってあんまり好んで聴いてはいないんですけど、『深層快感ですか?』以前に自主制作で出していた盤とかでは、シューゲイザーっぽいものとか、このへんの感じの音とかをやってましたね」。
「その当時は新しかったのかも知れないけど、シューゲイザーもだんだん聴けなくなってきたり、90年代のロックって長く聴けないものが多いなあって印象が僕にはあって」というなかでも、いまだに聴けるというのがダイナソーJrやペイヴメントなんだとか。
デイヴ・ロングストレスのソロ・プロジェクトとなっての初作は、R&Bへの接近を図るなど音楽性の幅を拡大。「1曲目の“Keep Your Name”っていうのがヴォーカルのピッチを変えてる曲で、そういったエフェクターでの実験精神みたいなところには影響受けてるかな?」。
2枚目のフル・アルバム。「スタジオでのレコーディングが熟れてきたこともあって、サウンドの振り幅とかを広げてみた感はありますね。(前作で)あれだけやれるんだったらもっとしっかりギターの音を鳴らして……って、ここでちゃんとフツーのバンドの音をやろうと思った(笑)」。
3月には初来日公演も予定されているヒューストン出身の3ピース・インスト・バンド。60年代のアジアン・ポップやタイ・ファンクからの影響も受けているというサウンドはエキゾチックで、あえてチープに仕立てている感じがニクい!……と。
『Nice Body?』と同日リリースのファースト・ソロ。「ライヴを観に行って、そこでアルバムのタイトルを聞いたんですけど、ちょっと被ってるなあって(笑)。Tempalayとは仲良くて、ライヴもよく一緒にやるんですけど、前にもアルバムの中の曲名が似てたってことがあった」。